◆税理士・社会保険労務士・司法書士の源泉税から支払調書まで

税理士、社会保険労務士、司法書士等へ支払う報酬は源泉徴収が必要です。           ここでは「報酬の支払」「徴収した税金の支払」「支払調書の作成」のポイントを説明します。

質問● 
税理士に支払う報酬は源泉徴収をしなければなりませんか?
回答●
社員に支払う給料や賞与と同様、税理士や社会保険労務士などへの報酬も所得税の源泉徴収が必要です。
解説●

給料や税理士報酬等を支払う場合は原則として源泉徴収をしなければなりません。               次の表で確認しましょう。        

報酬の支払者

源泉徴収義務

法人

あり

個人(常時2人以下の家事使用人のみに対して給与を支払う個人)

なし

上記以外の個人

あり

従ってサラリーマンや、社員を雇わず1人で不動産貸付を行っている個人事業者などは、税理士に報酬を支払っても源泉徴収義務が免除されます。


質問● 
税理士報酬からいくら源泉徴収すればよいのですか?
回答●
原則として報酬額の10%です。ただし、同一人への1回の支払額が100万円を超える場合、また司法書士の報酬は計算方法が異なるので注意しましょう。
解説●

支払先

源泉徴収する所得税額

税理士、弁護士、社会保険労務士等

(1)1回の支払額が100万円以下の場合

   報酬額×10%

(2)1回の支払額が100万円超の場合は@とAの合計額

  @100万円以下の部分の10%(100万円×10%=10万円)

  A100万円を超える部分の20%

   

司法書士

(報酬額−1万円)×10%

(1)税理士に10万円を支払う場合・・・1万円 「10万円×10%」

(2)弁護士に120万円を支払う場合・・・14万円 「100万円×10%+20万円×20%」

(3)司法書士に10万円を支払う場合・・・9千円 「(10万円−1万円)×10%)


質問● 
報酬に対する消費税が内税の場合と外税の場合では源泉徴収額が変わりますか?
回答●
原則として消費税込みの報酬額に対して源泉徴収を行います。ただし、請求書や契約書で本体価格と消費税額が明確に区分されている場合には税抜き本体価格に対して源泉徴収をすることができます。
解説●
  請求書の記載方法により源泉徴収する税額も変わります。                            @ 請求額 20万円、消費税1万円、合計21万円                                   A 請求額 21万円(内1万円は消費税)                                        B 請求額 21万円(消費税を含む)                                           C 請求額 21万円
@Aは消費税額が明記されていますので、2万円(20万円×10%)を源泉徴収します。            BCは消費税額が明記されていませんので2万1千円(21万円×10%)を源泉徴収しなければなりません。


質問● 
源泉徴収した所得税はいつ納めるのですか?
回答●
報酬を支払った月の翌月10日までに納めます。ただし、納期の特例を受けている場合には年2回にまとめて納付することができます。
解説●

納期の特例を受けている場合の納付期限

報酬の支払時期

納付期限

1月から6月まで

7月10日

7月から12月まで
翌年1月10日(税務署長の承認を受けた場合は1月20日)

税理士報酬を支払った場合の納付書の記入例

7月から毎月の顧問料21,000円(内消費税1,000円)、源泉徴収額2,000円を、

納期の特例を受けて7月から12月までの半年分をまとめて納める場合



質問● 
年末に税務署から支払調書を作成して提出するよう用紙が郵送されてきました。
支払調書とは何ですか?
回答●
支払調書とは、会社が支払う税理士や弁護士などの報酬について、誰にいくら支払ったかを支払先ごとに1枚1枚記入して、税務署に提出する書類です。                                    「給与所得の源泉徴収票」と「支払調書」をまとめて、「法定調書」ともいいます。
解説●
支払調書にはたくさんの種類があります。                                        税理士、弁護士、社会保険労務士、司法書士などへ報酬を支払った場合には                 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を使用します。前年1年間の支払額、源泉徴収額などを記入して1月31日までに税務署に提出します。
 

   
質問● 
支払調書の書き方を教えてください。
回答●
支払調書には、                                                       @どこの誰に A何を Bいくら支払い Cいくら源泉徴収したかを記入します。
解説●
税理士報酬の記入例です。

@どこの誰に・・・「支払を受ける者」欄に税理士の住所、税理士事務所名(税理士名)を記入します

A何を・・・「区分」欄には「税理士報酬」「社会保険労務士報酬」などと記入します。                       「細目」欄には「顧問料」「決算料」などの関与案件名を記入します。

Bいくら支払い・・・「支払金額」欄に前年1年間の支払合計額を記入します。                         原則として消費税込みで記入します。                                           12月分の報酬を1月に支払うような場合、年末の未払額も支払金額に含めるとともに、             内書(2段書きにして上段部分に内書)します。

Cいくら源泉徴収・・・「源泉徴収額」欄に前年1年間の源泉徴収額を記入します。                      「支払金額」欄と同様に年末の未払分も含めるとともに内書します。

D「支払者」欄には当社(支払者)の住所、名称、TELを記入します。

E「署番号」「整理番号」は税務署から送られてきた「法定調書合計表」の右上部分に印刷されています。    この番号をそれぞれ記入します。



   
質問● 
支払調書は本人(支払先である税理士など)にも渡した方がよいのでしょうか?
回答●
確定申告に使います。本人にも渡しましょう。
解説●
支払先1件につき3枚作成します。1枚作成すれば残りはコピーでもOKです。
@税務署へ提出
A支払先(税理士など)へ送付                                               B支払者(当社)の控


  
質問● 
法定調書の合計表にはどのように記入すればよいでしょうか?
回答●
税理士報酬などの支払調書を集計して記入します。                                  支払金額が5万円以下の支払調書は税務署への提出は不要です。
解説●
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の記入例

@ 「3 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」の                               「弁護士、税理士等の報酬又は料金(2号該当)」欄に記入します。

A 作成した支払調書を1件1枚ずつ用意します。 

B 「人員」の「個人」欄に報酬を支払った税理士、社会保険労務士などの人数を記入します。            用意した支払調書の枚数と一致します。

C 各支払調書の合計額を「支払金額」「源泉徴収税額」欄に記入します。

D 支払金額が5万円以下の支払調書は提出不要です。                                  5万円を超えるものだけを合計して「B(Aのうち支払調書を提出するもの)」欄に記入します。


   


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